ヨルシカ、YOASOBI、ずとまよ…10代がハマる「ネット発」ユニットの共通点

「夜好性」が愛するもの
小松 香里 プロフィール

これまで5曲の配信限定シングルを発表しているが、どの曲もユーザーが原作である小説と楽曲を行き来し、何度も考察を楽しむことで、さらなる広がりが生まれている。また、YOASOBIのMVも気鋭のクリエイターによるアニメーションによって作られている。複数のキャッチーなハッシュタグが付く形態であることも、広くユーザーがリーチする状況を生んだのだろう。

 

ボーカリストの歌唱力

ここまで書いてきた通り、「夜好性」の3組は、ネットと親和性の高いクリエイターによる楽曲の強さのみならず、それぞれが「考察したくなる物語性」、「アニメとの相性の良さ」といった、現状の音楽シーンにおける強い武器を複数持っている。それが、広く拡散された要因であろう。

そして、3組のボーカリストとも、様々な要素を詰め込んだ難易度の高い楽曲を歌いこなすだけの、きわめて高い歌唱力を持っている。Ikuraはそもそも、歌のうまさと、「小説を軸にした物語を歌う」というコンセプト故の透明感のある歌声という面で声をかけたとAyaseが明かしているし、suisの歌声もヨルシカが物語を特性としていることを考えれば、同様だろう。

ACAねも、ずとまよの曲を一聴すればわかるが、情報量が多く多様なサウンド・デザインをものともせず、とても巧みに豊かな表現力を発揮しており、ボーカリストとしてとても優れている。

音楽ユニットとしてのしっかりとした基礎体力を持ちながら、複数のメディアを器用にミックスし、多くのリスナーに深く刺さり、活発なアクティヴィティを促すような作品を生んでいる3組。その活躍は、ステイホーム期を経て、リスナー同士に新しい連帯を生みだしている。

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