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中国が懸念するシナリオ…大統領選がどう転んでも米中関係は悪化へ

民主も共和も、中国批判を強めている

大きく狂ったトランプの再選戦略

新型コロナウイルスの影響で、米中関係が急速に悪化している。9月22日の国連総会で、ドナルド・トランプ大統領は「中国がウイルスを拡散した」と演説し、責任を追及する姿勢を改めて見せた。今年3月以降には米国内でも急速に感染が拡大し、トランプ大統領は感染拡大を受けて3月13日に国家非常事態を宣言せざるを得ない状況に追い込まれた。

9月25日時点での最新の米国内の新型コロナの感染者数は700万人、感染による死者数は20万人を上回っており、いずれも世界最多である。今後、寒い季節を迎える中で「第2波」、「第3波」の到来が懸念されている。

新型コロナの感染が拡大するまでは、トランプ大統領は経済政策をアピールすることで再選を狙っていた。国家非常事態を宣言する前の今年2月4日、トランプ大統領は米議会上下両院合同本会議で大統領就任後3度目となる「一般教書演説」を行った。

議会にて一般教書演説を行うトランプ大統領[Photo by gettyimages]
 

当時堅調に推移していた米国経済を前面に打ち出し、その経済運営手腕を誇示しつつ米国民に対して再選を強く訴えていた。とりわけ、雇用創出に関する実績を強調し、2017年大統領就任後、米国内では700万人の雇用が創出され、特に製造業従事者の雇用機会が大幅に増大する「ブルーカラーブーム」がもたらされていると自画自賛している。

こうしたメッセージは高卒白人のブルーカラー有権者に焦点を当てたもので、2016年の大統領選挙では、彼らが多く居住しているウィスコンシン州では32年ぶり、ミシガン・ペンシルベニア州では28年ぶりに共和党が勝利した。

また一般教書演説では、「医療保険制度に社会主義的手法を導入すれば、アメリカは破綻する」として、バーニー・サンダース上院議員ら急進左派政治家が主張する「国民皆保険」も否定した。その1ヵ月後に、米国でこれだけ新型コロナの感染が拡大するとは、想像すらできなかったであろう。