〔PHOTO〕iStock

安倍政権「一億総活躍」の恩恵は全女性にもたらされたのか?

データに見る高卒女性と大卒女性の20年

伸びしろは「女性労働力」

2020年、日本はコロナの最中で、東京オリンピックもインバウンドの波も来なかった。その間に7年8ヵ月続いた安倍政権が終わり、新しい総理が誕生した。日本はこれから厳しい少子高齢化の時代を乗り越えていかなくてはならない。

2025年には団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、2040年には団塊ジュニアが65歳以上の高齢者となる。

そのときには現役人口1.5人で一人の高齢者を支えることになる。この1.5人の現役人口が働いて税金や社会保険料を支払って介護保険や医療保険・年金制度を支えるだけでなく、高齢者を直接、介護や看護する人材ともなる必要がある。

〔PHOTO〕iStock
 

そもそも前述の試算の現役人口とは15歳から64歳の人のことを指す。だが、2019年のデータを見ると高校進学率は約99%であり、さらに高卒後の大学進学率は約55%、専門学校にも約16%が進学する。高校卒業時の18歳から働く若者は同級生の18%弱である。

さらに、65歳まですべての人が働き続けるわけではない。実際の現役人口はもっと少ないのだ。実は現役人口を20歳から64歳とすると、2040年には1.4人の現役人口で一人の高齢者を支えることになる。

また現役人口は男性と女性から構成されている。男性のほとんどはすでに何らかの形で就労しているので、あと伸びしろのある労働力は女性となる。安倍政権時代に「一億総活躍」で「女性活躍」を前面に出したのには、そういった背景もあるだろう。「女性は別に働かなくても良い」では、私たちの社会はもう維持できない状況なのだ。