山口達也さんは「アルコール依存症の可能性が高い」…では何をすべきか?

「著名人自助グループ」につながってほしい
田中 紀子 プロフィール

しかし、こういった実践的なメリットよりも、この著名人の自助グループをお勧めするのにはもっと大きな理由がある。

この自助グループにこられている著名人の方々は、ある意味日本の依存症界のパイオニアである。

振り返ればわかることだが、これまで薬物やアルコールの問題を起こした著名人のうち、自助グループに通われ、自助グループで使われる回復プログラム「12ステップ」に真摯に取り組み、自らの生い立ちから振り返り、それを正直に明かされた方がいただろうか。

そして12ステップの原理である「同じ問題を抱えた人を助けることで、自分が助かる」ための行動を実践している方などいたであろうか。

これまでのアルコール、薬物問題を抱えた著名人の方々は、ほとんどの方々が黙して語らず、ましてや我々一般庶民を仲間となど思って下さる人はいなかった。

ところがこの新たに立ち上がった著名人の自助グループメンバーの方々は、ご自身たちの依存が止まるところにゴールを置くのではなく、生き方を変えることに主眼を置き、ご自分たちが「誰かを助ける役割に回る」という、一歩進んだところにモチベーションを置いておられるのだ。この違いの偉大さをお分かりいただけるだろうか。

 

海外ではこのような著名人による相互扶助はこれまでも頻繁に行われていた。

昨年RollingStone誌にリンゴ・スターとイーグルスのジョー・ウォルシュのインタビューが掲載されたが、このインタビューで彼らはしきりに「自分も同じ依存症者に助けられた。だから自分も同じ依存症者を助けていきたい」と語った。

ウォルシュはこのとき、依存症からの回復に尽力した功績を称えられ、NPO団体Facing AddictionとNational Council on Alcoholism and Drug Dependenceから共同で、最高位のヒューマニタリアン賞を受賞されている。この「助けるものが助かる」という社会の好循環を日本ではなかなか認めようとしない。

芸能人が芸能人を叩く構造も…

一度でも失敗した人は誹謗中傷で叩きのめし、立ち上がることすら許さず、同じ芸能界に生きる芸能人らが「一発アウト」「社会的に抹殺しろ」「二度と芸能界に戻るな」といびり倒し、それを正義かのようにワイドショーや一部のネット民がもてはやす。

まるで水に溺れる子犬をみんなで面白がって水に沈める残酷なショーを楽しんでいるかのようだ。そしてそのショーを否応なく見せられる、我々依存症の当事者・家族はまるで自分が息の根を止められるかのような、苦しみを味あわされてきた。

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