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菅政権肝入りの「デジタル化」に抵抗する、霞が関の役人たち

「縦割り行政」解消のチャンスなのに…

「たらい回し」がなくなるかもしれない

菅政権肝煎りの政策といえば、デジタル庁の設立である。その誕生には賛否両論さまざまな意見が飛び交っているが、実際にはどのようなことが可能になるのだろうか。

まず、デジタル化・オンライン化を進めると、担当部署のたらい回しに代表されるような省庁の縦割りはなくなるかもしれない

今年は、5年に一度の全国民を対象とする国勢調査の年だ。国勢調査は、各種行政の基礎データになるので、統計法で基幹統計調査とされ、国民に回答義務が定められ、拒否したり虚偽報告の場合の罰則もある。

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筆者のところにも調査票が郵送されてきたが、返送せずにオンラインで回答したが、10分もかからず簡単に終わる作業だった。

10年前の2010年国勢調査では、東京都でオンライン回答が導入されたものの、利用率は8.4%にとどまった。5年前にはオンライン回答は全国で導入され、利用率は39.6%だった。今回はもっと高くなるだろう。

国勢調査に限らず、各種行政への手続きは、2002年デジタル手続法(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律)により原則オンライン移行とされたが、なかなか進捗していない。

2019年3月末時点で、全省庁の法令等に基づく手続は、約56000種類、年間24億件以上。年間24億件以上の手続のうち、オンラインで実施できる手続は、種類数ベースで12%、件数ベースで77%にとどまっている。

オンラインで実施できる手続件数のうち、実際にオンラインで実施されている手続件数の割合は60%。なお、手続の際に求められる添付書類について、行政機関が発行する登記事項証明書や住民票、戸籍の添付を求める手続きが多い。