公立小学校での教師として13年勤務し、「森田さんが担任すると子どもたちがなぜかやる気を出す」と「型破り教師」として有名だった森田太郎さん。1年半前に公立小学校を退職し、子どもたちの「興味の芽」を伸ばす東京・三鷹市の「探究学舎」で講師をつとめていました。教師と講師、ふたつの経験を踏まえ、子どものために大人が考えたいことを伝えていく連載「タロー通信『風のとびら』」、再び公立小学校の教壇に立つ森田太郎さんが、「公教育」に届けたいものとは。

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教育格差という「社会問題」

突然ですが、フリーランスになりました。
正社員という立場ではない教師という立場を選んだ理由は、公立小学校、民間の塾、官民を行き来しながら森田太郎として子どもたちと向き合おうと思ったからです。
10月からは、時間講師として都内の公立小学校の教壇に立ちます。また、探究学舎では、授業づくりとイベントの企画・運営を通じた人材育成という立場で仕事を続けていきます。

探究学舎での1年半は、新たな発見と挑戦の連続でした。授業を中心とした教育サービスが「商品」であり、その質の高い商品を求める顧客と日々向き合ってきました。また、商品開発を通じて、マーケティングの観点から分析するというプロセスも経験することができました。市場のニーズに合わせてスピード感をもって商品を提供していく手法は、民間のベンチャー企業にきたからこそ学ぶことができたと思っています。

探究学舎の授業中の森田さん。森田さん講師の授業は即日満席になるほどの人気だった 写真提供/探究学舎

一方で、教師という職業は、教育格差という社会問題を生々しく感じられる立場でもあります。家庭の経済力に関係なく、すべての子どもの学習権をどう守っていくか。ぼくはこの課題に対して公教育の現場で挑戦しようと考えました。
探究学舎が提供するような質の高い教育サービスを、公立学校の現場でも多くの子どもたちに届けるため、まずは自分が飛び込もうと思ったのです。