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「あなたの口座は世界中の犯罪者に狙われている」あまりに残酷な現実

ドコモ口座、SBI証券事件の検証

日本は性善説で成り立っている国だが……

NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」などを用いた不正な預金引き出し問題で、キャッシュレス業界が「悪い意味で……」賑わっている。

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2019年7月13日の記事「コンビニ最強から一転、セブン‐イレブンの『劣化』が止まらないワケ」で、私が執行パートナーを務める人間経済科学研究所代表・有地浩のレポート「7pay騒動から学ぶべきはIDの大切さだ」を取り上げたが、有地の警鐘はドコモやその他のキャッシュレス関連企業には、残念ながら届かなかったようである……

7pay問題は、前述の記事のように、セブン-イレブン特有の問題も大きく絡んでいたのだが、今回のドコモ口座問題は、NTTドコモだけの問題とは言い切れない。その他のキャッシュレス企業やネット証券口座などにも被害が広がっている模様だ(今のところ同一犯・組織なのかどうか、犯人が特定されていないので不明である……)し、キャッシュレス企業だけではなく、銀行預金口座そのものの信頼性にもつながる大問題だ。

人や工場のグローバル化は、世界的パンデミックの影響もあって逆回転し始めているように思える。このような現象が起こったのは、色々なリスクが顕在化したという側面が大きい。

しかし、人や物の移動が滞っている現状では、むしろインターネットを始めとする通信ネットワークの活用が拡大し、依存度も高まっている。

だが、この通信ネットワークの拡大は物や人の場合と同じように負の側面も持っている。ネットでつながっていれば、あなたの持っている口座は、「世界中の犯罪者の餌食」になる可能性があると言えるのだ。

これまでの日本の金融システムは、基本的に「性善説」で運営されてきた。確かに、銀行での手続きなどは煩雑でうんざりするが、商店で1万円札を出したら店員が電灯で透かしてみたり、紙幣識別機にかけるような社会ではない(例えば米国では100ドル紙幣の場合、そのようなことがしばしば起こる)。

したがって、「夜道を女性が1人で歩ける」ほど治安が良く危機管理が整っていない(これまで必要なかった……)日本(人)は、ネット分野でも格好の獲物になるのだ。

 

今回のことを教訓にして、セキュリティ管理を徹底しないと、「日本人の口座」が世界中からやってくる脅威によって危機にさらされる。「ネット金融犯罪のグローバル化」は待ったなしなのだ。