生きた心地がしない…想像以上に深刻な「地方のコロナ差別」の実態

「犯罪者家族!」「早く仕事辞めさせろ!」
阿部 恭子 プロフィール

安藤さんはこの一件で、これまで付き合ってきた地域の人々が完全に信用できなくなってしまった。それでも、他の地域で生活する選択肢はないという。

「むしろ今まで以上に、いろいろなところに顔を出すようにしています。姿を見せないと、陰で何を噂されているかわからないですから」

確かに、警察署の留置場や拘置所、刑務所で刑務官が感染したケースは報道されたが、面会によって感染したというケースは報告されてない。

コロナ以前から、刑務所ではインフルエンザなどの感染対策として、冬の面会では入り口で面会者にマスクが配布されていた。

しかし、多くの人にとって刑務所は未知の世界であり、感染の恐怖から日常的な偏見と相まって一部の人の間でデマが生まれていた。

「私はもう年ですから、ここで生きていくしかない。でも、子どもたちに同じ思いはさせたくないと心から思います」

 

医療従事者の家族への差別

九州地方に住む山口悟さん(50代)は、新型コロナウイルスが流行り始めた頃から職場の人々から嫌がらせを受けるようになった。

同僚たちは皆、山口さんには挨拶もせず、目を合わせることさえない。用件はすべてメールで伝えられる。マスクが不足していた時期にもかかわらず、山口さんだけがマスクの着用を義務付けられた。理由は、山口さんの妻が、地域の病院で看護師をしていたからだった。