生きた心地がしない…想像以上に深刻な「地方のコロナ差別」の実態

「犯罪者家族!」「早く仕事辞めさせろ!」
阿部 恭子 プロフィール

感染の恐怖が生み出すデマ

「なぜ今になって、こんな差別に遭うのか……」

東北地方に暮らす安藤義男さん(50代)は、息子が1年前に詐欺罪で逮捕され、刑務所に収容されている。安藤さん宅にも警察の家宅捜索が入り、事件は近隣住民の知るところとなった。それでも、

「人殺したわけじゃないんだから、生き直せばいい」

そういって慰めてくれる人ばかりで、安藤さん家族を責める人はいなかった。ところが今春、新型コロナウイルスが流行りだしたころから、周囲の人々の接し方が急によそよそしくなった。

ある時、安藤さんが馴染みの飲食店に入るやいなや、店にいた友人たちの様子が明らかに変化した。安藤さんは、思わず何があったのか話してほしいと友人に詰め寄った。すると、思わぬ答えが返ってきた。

「あんたが刑務所からコロナもらってくるんじゃないかって、みんな心配してる。息子によく会いに行ってるって言ってたから……」

 

安藤さんは、移動の自粛が叫ばれ始めている状況で、面会に行くことは控えていると話したが、

「先週は家に車がなかったけど、家族でどこへ行ってたんだ?」

「今週、2回も病院行くのを見たけど、どこが悪いんだ?」

その場にいた友人たちから尋問のような質問が続いた。安藤さんは、行動の一部始終を監視されていたことに気づき、身の毛がよだつ思いだった。