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生きた心地がしない…想像以上に深刻な「地方のコロナ差別」の実態

「犯罪者家族!」「早く仕事辞めさせろ!」

犯罪者家族と呼ばれた感染者家族

「息子の感染が分かった時から、生きた心地はしてません……。この先、ここに住み続けていいものか……」

四国在住の吉田敏子さん(40代)は、緊急事態宣言が解除された6月、東京から実家に帰省していた長男が高熱を出し、新型コロナウイルスに感染していることが発覚した。吉田さんと夫はPCR検査を受けふたりとも陰性が確認された。

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ところが、吉田さん一家から感染者が出たことは、すでに周囲の噂となっていた。突然、姿が見えなくなった吉田さん夫婦について、近隣住民から質問攻めにあっていたのは、近所に暮らす吉田さんの妹家族だった。妹はすべて事情を話し、親族から感染者が出てしまったことを謝罪しなければならなかった。それでも、

「もし、ここで感染が広まったらあんたら犯罪者家族だよ!」 

「長男なのに実家ほったらかして東京で遊び歩いて感染して!家族として責任取るべきだ!」

と、中には怒鳴り込んでくる人までいたという。妹家族はこの一件で、敏子さんと絶縁。敏子さんは、長男の帰省を許したことだけでなく、長男を東京の大学に進学させたことまで親戚中から非難されたのだった。

「感染者を出したら吉田さん宅みたいに村八分」

この地域では、県外にいる家族を帰省させるなという「暗黙のルール」が敷かれるようになった。