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日本とニューヨーク「大麻所持」のインパクトは、ここまで違っていた…!

お酒の所持のほうが厳しい

大麻が違法のニューヨークであっても

ヘルメットをかぶった工事関係者の男性が、公園の外側に置かれたベンチに座り、紙に巻いた大麻(マリファナ)を吸っている。警官がその前を歩いて通りすぎる。男性は吸い終えると、吸い殻を道路に捨て仕事現場に戻っていった。最近のニューヨークでは見慣れた光景だ。

マンハッタンは1日歩いているだけで、必ずどこからか大麻の匂いに遭遇する街でもある。新型コロナ渦においては大麻を自宅アパート(マンション)で吸う人が増え、友人も「同じフロアに吸っている人がいて大麻の燻された匂いがベランダからする」と話す。

個人的にも隣に建つアパートの住人が突然やってきて「大麻を吸っていませんか?」と聞かれたこともある。その住人の自宅アパートの部屋は、大麻の煙と匂いが隣接する筆者アパートからの風の通り道になっているらしく、わざわざ別棟のアパートの住人たちの部屋を一部屋ずつまわっていた。“犯人がわかれば”苦情を言おうとしていたのだ。だが、筆者は大麻を吸わないし、必要ともしていない。

だから完全な人違いなのだが、大麻が違法のニューヨークであっても、こういう日常になっている。これにはニューヨークの警察が、大麻を取り締まりから基本的に除外していることが関係している。

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現在ニューヨークでは大麻を所持していることは違法だが、少量所持と使用であれば逮捕されない。ようするに大麻の吸引には刑事罰がなく、民事上の違反となり、罰金のみで済む。もし罰金が不服であれば警官からその場でチケットを切られ、裁判所で戦うことになるが、よほどでない限りしないだろう。近いイメージとしては駐車違反で罰金の有無について警察と裁判所で争うようなものだ。

そして現実には、ニューヨークで大麻使用者に対してほとんど罰金徴収されておらず、前述の通り大麻を吸っている人が目の前にいても警官は取り締まっていない。つまり現在、ニューヨークは大麻解禁の前段階に入っているといっていい。現時点でのニューヨークの大麻所持の罰金と罪の基準については以下の通り。

28g以下…罰金50ドル(約5500円)、刑事罰なし
28g~56g…罰金200ドル(約2万2000円)、刑事罰なし
56g~224g …罰金1000ドル、刑事罰1年
224g~455g…罰金5000ドル、刑事罰4年
455g~4.55kg…罰金5000ドル、刑事罰7年
4.55kg以上…罰金15000ドル、刑事罰15年

通常、大麻の使用量は1回0.1g〜0.2gとされている。だから、1gの大麻は約5回から10回分ということになり、罰金50ドルとなっている28gの大麻所持というのはジーンズのポケットに入りきらないくらいの量になるだろう。つまり、刑事罰が発生する56g以上の大麻所持の場合は、もはや大麻所持者というより、大麻の売人への刑事罰ということがわかる。