スカスカな自分を埋めたかった

なんとか、スカスカな自分を何かで埋めたくて、中国語、歴史、コピーライター養成講座など、お稽古ごとに邁進した。月に3~4回観劇したりもした。酔うことだけが目的だった時間を、自己投資に充てたことで、なんとなく罪滅ぼしをしているような気分だった

それまでは「芸人=カス」でなければ面白くないという思い込みもあり、芸人バービーとして生きようとガチガチになって、身動きが取れなくなっていた。無理矢理着ていた鎧を脱いで、ひとりの人間としての私を取り戻そうとした

それからは、ノートと手帳を自己分析に使ったり、目標を明確にしたり、社会的な自分の成長に「書くこと」を活用するようになっていった。

自分の時間を持つようになってから、少しずつだが、好きなタイプ、一発ギャグ、ひとり旅のしおり、メイクのデッサンなど、頭の中のひらめきの光が消えないうちに書くことで、気持ちよさも感じるようになっていった。

ふと、飲んだくれる前の学生時代よりも、ノートの使い方がうまくなっていることに気がついた。雑然と並んでいた言葉たちも、テーマごとに記せるようになっていたり。

以前は、人とのコミュニケーションのやり方を改善したいとばかり書いていたが、対人における問題点は前より少なくなっていた。空っぽで無意味だと思っていた夜の社交活動も、知らぬ間に自分のコンプレックスでぽっかり空いた穴を埋めていたと知った。前進してないと思っていたが、少しずつ動いた景色に気づいていないだけだった

飲んだくれ期の私は、空っぽだからこそ失う怖さがないから、なんでも軽はずみに首を突っ込むことができた。おかげで、一歩踏み出すことは怖くないんだと、行動力も身についた。ふしだらに酔いつぶれていた経験のおかげで、「最初の一歩」が軽い人間になっていた。

無駄な時間などないのだ

写真提供/バービー