リハビリや自主トレは進行を遅らせるだけ

2020年1月にはっきりわかったことは、体にほとんど問題はないのに筋肉だけが「ピクピク」とともに失われていくことでした。何か筋肉のためにやれることはないか?治療法がないと言われているALSではあるけれども、筋肉のために良いことをやっていけば復活するのではないか?

何が効いているか分からないのも困るので、闇雲に飛びつくのではなく、とにかく知っている方々に薦められた事をドンドン試していって、それが体に合っていたり何らかの効果が自覚出来たら、徹底的にやり続ける。特にリハビリに関しては知っている方にずっと見ていってもらう事で、進行の度合いやそれに伴うアドバイスをしてもらう。そのために2月から週1回のペースでクリニックに通い、その時に出来るリハビリをすることにしました。

痛みや麻痺がほとんどないと言われているALSなのですが、実は痛みや麻痺が結構あるということが、ALS患者さんのブログや知り合いになった方からの情報として入ってきていました。自分のALSの個性をしっかりと把握しながら対処していこうという作戦でです。

日常生活では、前回の連載でお伝えした「体重減少」を防ぐための管理、気になっていた電気運動器具の活用、知人のデトックスを目的としたマッサージ、ボイストレーナーとしての自身の呼吸法やリラックスストレッチの実践、介護ベッドなどの柵を利用しての筋肉負荷ストレッチなどを必ず毎日行うことにしました。

ただし、どんな治療内容にも、「進行を止める・好転させる」ための項目はありませんでした。それでもクリニックのPTの方には「津久井さんはものすごく頑張って遅らせている方」と言っていただきました。止められなくても、遅らせることはできているようです。

しかしながら2月にロフストランド杖での歩行は出来なくなり、3月につかまり立ちからの伝い歩きが困難になり、4月に自力でお風呂の湯船に入れなくなってシャワーチェアーを導入、5月に全ての移動が車椅子でなければできなくなって要介護4の判定になりました。6月には自力でのトイレ移動が難しくなり介護用品導入、7月につかまり立ちも安定しなくなり危ないので断念、8月には車椅子から立ち上がるのも介助で行うようになりました。

2020年9月、このような経過で足に関してはほとんど動かなくなってしまいました。それでも何故か声は無事なままで、ありがたい事にお仕事は出来ているのです。

2020年9月、ニャンちゅうスタジオで仕事をしている津久井さん。車椅子がなければ、闘病中だとは思えない 写真提供/津久井教生

【「ALSと生きる」次回は10月10日(土)公開予定です】

津久井さんが2020年9月から放送を開始した「怖い話」朗読動画はこちら↓