自覚してからの進行は早い

しかし、トレーニングの効果はほとんどありませんでした、逆にどんどん足に力が入らなくなる感じです。2019年5月の中頃には、50メートルくらい歩くと足が上がりにくくなってきて歩けなくなることが度々ありました。少し休むとまた歩けるようになるという状態です。自宅から5分の最寄りの駅まで1回休んでようやくたどり着く感じです。

しかしながら、短い距離ならば休むと大丈夫なのです。授業などでも少し動いて椅子に座って話をして、立って板書しながら説明するなどしばらく動かないでいると、足さえ上げなければ問題なく動ける状態でした。でもさすがにおかしいと感じて、総合病院の整形外科に行きました。これだけ動けなくなり、「体育座りから前に立てない」状態でも検査結果は異常なし。1ヵ月間の経過観察で、杖なしでは危なくて歩けない感じになっても、整形外科の検査では異常なし。病名特定までの道のりは、以前にも書いたように、決して短くありませんでした。ここで初めて神経内科に紹介され、すぐに針筋電図検査が出来る病院に移りました。

この時点で自覚が出来たのは「ピクピク」という動きです、ALSの患者に多くある特徴なのですが、筋肉がいたるところで勝手に「ピクピク」と動くのです、2019年7月には足に明確に現れ、両腕にも軽く現れ始めました、私は特にこの「ピクピク」が顕著に現れたため、針筋電図検査結果とあわせてALSの診断になりました。私がお会いした多くのALS患者の方は、同じ症状があることを確認しています。

「ピクピク」が続くと、どんどん筋肉が失われていく感じがします。2019年8月末からの検査入院でも毎日ずっと「ピクピク」していましたし、CK値は1000を超えたままでした。両手杖で歩けていた検査入院の時からALSと診断されて自宅に戻り、そして12月の腫瘍摘出手術の時には、ほとんど車椅子での移動になっていました。

これだけ筋力が落ちて動けなくなってきているのに、足に関しては本当に何の痛みもありませんでした。ただ右足の太ももにALSではあまりないと言われた麻痺的な感覚が少しあった程度です。現在はたまに両足の太ももに軽く麻痺的な感覚がありますが、当時はほとんどありませんでした。ただ足の筋肉が減って歩けなくなり、つかまり立ちはできても、W杖でやっと10メート留、歩行器具ではようやくゆっくり歩ける状態でした。

1年で自力歩行が難しくなりました。

2020年1月、W杖でカパルと津久井さん 写真提供/津久井教生