ALSの特徴とは
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多いです、もう少し詳しい書き方を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」という説明がなされています。ではこの感覚があるままに動かなくなるという状態はどんな感じなのか? 私の現在の状態までのお話をしたいと思います。そして、もしかしたら「ALSを含めた難病の可能性」を疑っている方の参考になればとも思います。
その闘病について率直につづっている本連載、今回は2019年9月、検査入院中に腫瘍がみつかり、その手術を終えてからのことを伝えていただきます。腫瘍があることでALSの治療も障害があるかもしれないと言われていましたが、無事に手術により腫瘍切除に成功しました。よし、ALSに挑もうと退院に向かう中、実感としてALSの特徴的な症状を感じることになったのです。
「動かなくなる」って?
12月に摘出した腫瘍は良性であることが1月の健診で担当医から告げられました、裁断された腫瘍に悪性の部分がなかったというこです。なんと退院後1回の健診で「泌尿器科」の通院は終了とのこと。私は手術跡などの経過も含めて月に1回くらいのペースで数ヵ月通うものだと思っていました。
「隙間はうまいこと体が埋めてくれるものです、よほどの異常が出ない限りこれで終了です」だそうです。それだけ手術がうまくいったという事なのでしょうが、拍子抜けでした。
ということで、これで心おきなくALSへのアタックが始まるのでした。
その時点、退院時での私の体の状況をお話しておきましょう。リハビリルームで毎日PTの方とトレーニングをしていましたが、W杖(両手に杖を持つこと)でなければ歩くことが出来なくなっていました。平行棒などの体を手で支えるものがあるとそれなりに体バランスで歩くことは可能、つまり手で身体を支えられれば立っていられました。
右腕にも違和感が現れて手を顔より上にあげる時に「よっコラショ」って言う負荷をかけないと動きません。それでもまだ手に関しては自分なりに動かせていたので、自走の車椅子で移動の練習をしていました。手術で大きくお腹を切ったので動けなかった分、トイレなどは車椅子で移動して、トイレは車椅子から便器に自力で移る事が可能でした。
椅子から自立をして手すりなどがあれば、短い距離であればつかまり移動が出来ました。
しかし、現在この文章が掲載されている2020年9月26日時点では、そのようなことが全くできなくなっています。