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ドイツの「厳しすぎるコロナ政策」に国民の不満が鬱積している証拠

抗議デモが「国会議事堂占拠未遂」に

ドイツ国民の不満

8月30日土曜日、ドイツ政府のコロナ政策に反対する人たち3万8000人(警察発表)が全国からベルリンに集まり、抗議デモを打った。参加者の内訳は、普通の市民(子供連れも)から、左翼(極左を含む)、右翼(極右を含む)、また、コロナなど嘘だと主張するコロナ陰謀論者など多種多様。

ドイツでは1週間に100万件以上のPCR検査を行っていることもあり、新規感染者は増えているが、今のところ重傷者も死者もほとんど出ていない。なのに、当局は様々な規制を緩めず、屋外の活動さえもなかなか認可しないため、国民が不満を持ち始めていた。これは民主主義の抑圧ではないかという声も上がってきており、この日のデモ参加者の数は、主催者の予想をはるかに上回るものになった。

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当初、概ね平和に展開していたデモは、いつしかエスカレート。デモ開催者の一人である女性が「国会議事堂へ!」と呼びかけると、その言葉に数百人(100人〜400人まで報道の幅がある)が共鳴した。

国会議事堂は、普段、見学者には手荷物検査などがあるが、建物自体がそれほど厳重に警戒されているわけではなく、この日は柵が並べられていただけで、近づこうと思えば簡単に近づけたという。

議事堂に到達した人たちが、入り口の前の長い階段を登り始めたとき、階段の上で警備にあたっていた警官はたったの3人。こんなことになるとは知らず、一人はヘルメットさえ被っていなかった。そして、その3人の警官が必死の形相で、階段を登ってくるデモ隊から議事堂を守っているシーンを、報道陣がカメラに収め、すぐにテレビで流した。

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当然、それはたちまち「極右による国会議事堂占拠の試み」という特大スキャンダルとなった。そして翌日には、シュタインマイヤー大統領がその3人の警官を大統領官邸であるベルヴュー宮殿に招いて、その功績を称え、警官は英雄となった。

しかし、「国会議事堂占拠未遂」というのは、いくらなんでも大袈裟だった。もちろん、デモ隊が国会議事堂に接近したのは事実だし、国会は国民主権の象徴である大切な場所だ。とは言え、デモ隊は武器を持っていたわけでもなく、本当に議事堂に攻め入り、占拠するつもりだったとは思えない。

 

どちらかというと、良いお天気だし、皆で気勢を上げたそのノリで、議事堂まで行進し、デモを効果的にアピールしたかったというのが真実ではないか。実際、映像を見ても、たいていの人はのんびりと階段の上に立っていた。