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銀行業界はまだ知らない…? 菅首相が「地銀再編」に動き出した「本当の狙い」

地銀再編は手段。本丸は…
橋本 卓典 プロフィール

そこで金融庁は「事が起きた後に発動する早期是正措置」ではなく、「事が起きる前に動く早期警戒制度」を2019年6月、地銀向けに見直した。

正味の稼ぐ力をコア業務純益として計数分析し、それが持続可能かどうかを判定する。疑義がある場合、地銀経営陣との探究型対話に臨む。

掲げた経営理念と経営戦略の整合性、そして現状の収益、コスト管理で経営が持続可能なのかどうかを話し合う。金融庁を納得させるビジネスモデルを示すことができない場合は、立ち入り検査に進む。

検査に入った金融庁は、ただでは終わらせない。経営人材を送り込んだり、経営陣の刷新を伴う業務改善命令を発し、他行との経営統合に追い込む可能性も否定できない。

 

ただ、菅首相が旗を振っても、現実的に早期警戒制度でターゲットとなる銀行はそう多くはない。むしろ従来の銀行中心のビジネスモデルを見直す機運の方が醸成されるかもしれない。

決済や家計簿などに特化したフィンテック事業者の参入によって、預金、送金、決済、現金自動預払機(ATM)などの機能を併せ持つ銀行同士の統合の意味が捉え直される。むしろそうした非競争領域の機能統合を進め、インフラ会社化していく考え方もある。