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銀行業界はまだ知らない…? 菅首相が「地銀再編」に動き出した「本当の狙い」

地銀再編は手段。本丸は…

菅首相が口にした「地銀再編」、その真の狙い

手段の完璧さと、目的の混乱。この2つが私達の主な問題に見える」

アインシュタインが残したこの言葉は、人間社会を的確に言い表している。手段があたかも目的化して、本来の目的を台無しにすることは、往々にしてある。

菅義偉首相は、自民党総裁選の出馬表明に伴う2、3日の記者会見で、地方銀行の「数が多すぎる」、「個々の銀行の経営判断になるが、再編も一つの選択肢になる」と語った。

菅氏の発言を受けて、地銀業界では動揺が一気に広がった。青森県の青森銀行とみちのく銀行が独占禁止法を適用しない特例法を使った統合協議に向けて水面下で動き出した、と報じられたばかりであったからだ。

しかし、手段であるはずの「地銀再編」という言葉だけが先走り、肝心の目的が伝わってこない。いくら一国の首相が地銀再編と掲げ、それを実現したとしても目的に到達できなければ、それは失敗だ。

目的については、後述するとして、地銀再編をめぐる動きを確認しておきたい。

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地銀再編が進まない理由

長年の金融行政のテーマでもある地銀再編は、実は相次いでいない。特にここ数年は低調である。

全国の地銀は2000年度末に121行だったが、2015年度末に105行に減少した。ところが、さらに5年を経過しても現在103行(執筆時点)だ。業務提携はあっても、持ち株会社化の経営統合、更に踏み込んだ銀行同士の合併に関しては、より慎重だ。

理由はいくつもある。