9月29日 ソ連で「ウラル核惨事」が起こる(1957年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1957年の今日、ソ連(現・ロシア)のチェリャビンスク近郊で「ウラル核惨事」と呼ばれる原子力事故が起こりました。

冷戦期にアメリカとの軍拡競争によって核兵器を生産・配備する必要に駆られていたソ連では、1946年に西部のウラル山脈に秘密都市を建設し、核物質製造工場「マヤーク」(ロシア語で「灯台」の意味)を稼働しました。作業員は許可なく都市の外に出ることが許されず、放射能の危険についても十分な説明を受けられませんでした。

核工場で生まれた廃液は当初、川や湖にそのまま垂れ流されており、流域の住民に健康被害が発生していました。健康被害を避けるために廃液貯蔵タンクが建てられましたが、1957年にタンクが化学爆発を起こしてしまいました。ストロンチウム90などの貯蔵されていた大量の放射性物質が飛び散り、27万人以上が被曝したと見られています。

当初、ソ連政府は事故の存在自体を軍事機密として隠蔽したため、事故が公式発表されたのはソ連崩壊直前の1989年のことでした。国際原子力機関(IAEA)が発表した国際原子力事象評価尺度(INES)によれば、ウラル核惨事はチェルノブイリ原発事故、福島第一原発事故に次ぐ歴代3位の大事故だとみなされています。

チェリャビンスク州の発電所 Photo by Getty Images