誹謗中傷を「国が許さない」という姿勢

では他の国ではどういった対策をとっているのか。

例えば、ニュージーランドではネット上の有害情報を規制することを目的とした法律「有害デジタル通信法」(英文:“Harmful Digital Communications Act 2015”)が最近成立した。つまり、個人が自費を用いて訴えるまでもなく、誹謗中傷だと認められたらきちんと罰されるのだ。

この法律では、個人に害をもたらすことを意図してネット上に情報を投稿した場合、

・投稿に用いられた言葉の酷さ(extremity)
・投稿の対象になった個人の年齢や性質(age and characteristics)
・匿名(anonymous)での投稿かどうか
・繰り返し(repeated)投稿されたかどうか
・投稿が伝播した範囲(extent of circulation)
・内容が真実かどうか(true or false)
・投稿された際の文脈(context)

といったその投稿が個人を害するものかどうかを裁判所が判断するという仕組みになっている。個人はその証拠を提出する必要があるが、訴えることには費用はかからないのだ。

そして、個人を害する投稿であると判断された場合、投稿者には、「2年以下の懲役または5万ニュージーランドドル(約400万円)以下の罰金」が科せられる可能性がある。

ちなみに、日本の刑法で規定されている名誉毀損罪の場合は、「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」となっている為、ニュージーランドの場合は罰金が日本に比べてかなり高額だ。国をあげて「ネットの誹謗中傷は許しません」という姿勢を見せていることになる。

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指一本で人間の命を奪えるようになってしまった今、私達は個人として、社会としてまだまだできることがあるのではないかと問う毎日である。

日本も少しずつ法律を始めネットの使い方などの意識が変わってきているようにも感じるが、やはり私たちの一人一人の意識や呼びかけが大きく社会に影響すると私は強く確信している。小さな一歩一歩だ。


厚生労働省 平成30年版「自殺対策白書」
https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/
 

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