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グーグル「反トラスト法違反」訴訟がいよいよ秒読み段階に

「世紀の訴訟」として歴史に刻まれるか

グーグルが反トラスト法(米国の独占禁止法)違反で提訴されることが、時間の問題となってきた。ワシントン・ポストなど米メディアによれば、司法省は早ければ来週にも同社提訴に踏み切る構えだという。

グーグルが提訴されば、1911年のスタンダード・オイル分割にも匹敵する「世紀の訴訟」として歴史に刻まれることになる。それはまた、私たちの生きる時代が「石油の世紀」から「情報の世紀」へと大転換を遂げた象徴ともなるだろう。

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提訴の動機は政治絡み

司法省が今回の件で、関係者への聞き取り調査などグーグルの捜査を始めたのは昨年7月頃だった。

グーグルは世界のインターネット検索市場の約9割、またデジタル広告市場の約3割のシェアを占めている。特に米国ではEコマース業界を中心に、数百社にのぼる企業がネット検索・広告市場におけるグーグルの独占状態が健全な競争を妨げていると訴えた。

このため司法省の調査チームは当初、主にネット検索と広告の両面からグーグルの捜査を進めた。が、ここに来て捜査対象を検索だけに絞り込んで提訴に持ち込む構えだ。

その理由はウィリアム・バー司法長官からの圧力にあると見られている。長官は今年11月のアメリカ大統領戦までに是が非でもグーグルを提訴して、それを手柄としてトランプ大統領に差し出したい。これまでの調査では、(検索と広告のうち)検索に関する方が十分な証拠が集まっているので、こちらを優先して何とか9月中には立件しろ、と調査チームを急かしたようだ。

 

ただ、拙速な訴訟への動きはかえって今後の裁判を進める上で不利に働くとして、司法長官への抗議の意図から調査チームを離脱したスタッフもいると見られている。彼らにしてみれば、あまり焦らずに十分な時間をかけて証拠を集めれば、グーグルを有罪に持ち込める自信があるようだ。

司法省(の調査チーム)が特に注目しているのは、スマートフォンにおけるグーグル検索の扱いだ。

グーグルはアップルなどスマホ・メーカーに働きかけて自社の検索エンジンをデフォルト(初期設定)にさせている(特にアイフォーンの場合、ブラウザ「サファリ」の検索エンジンの初期設定がグーグルだ)。これがEコマースも含めグーグルに競合する事業者のビジネスを不当に圧迫するなど、反トラスト法に抵触していると見ている。

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今回、グーグルに狙いを定めているのは司法省だけではない。間もなくテキサス州をはじめ数十に上る州が同じく反トラスト法違反の容疑でグーグルを提訴する見込みだ。

その多くはグーグルの検索エンジンに加えて、デジタル広告など他の分野にまで訴訟対象を拡大したいと考えている。その場合、相応の時間をかけて証拠を集めていく方針だが、逆にグーグルの検索事業だけに捜査を絞った幾つかの州は、司法省と組んで早急に提訴すると見られている。

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