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# 中国 # アメリカ # 菅義偉

世界デビューの菅総理、国連総会で「存在感ゼロ」に終わったワケ

米中対立の勢いに気圧されて…

「チャイナ・ウイルス」連呼のトランプ

トランプ米大統領は9月22日、4度目となる国連総会での演説で、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを巡り中国の責任を追及、米中対立の根深さを改めて浮き彫りにした。

わずか7分弱の演説の中で、コロナウイルスをあえて「チャイナ・ウイルス」と呼んだことも含めて12回も「中国」を連呼し、演説を中国批判一色に染め上げたのだ。事前に収録したビデオ演説だったため、トランプ氏ほどではないものの、中国の習近平国家主席も負けず劣らずの米国批判を展開した。

各国は米中の深刻な対立を懸念しており、国連が平和維持の要として掲げてきた多国間主義が揺さぶられているという。  

一方、菅義偉総理は金曜日未明、自身初の首相としての国連演説に臨み、格調高い発言をしたものの、米中の毒気にあてられたのか、あまり海外メディアの注目を集めることができなかった模様だ。

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まずは、トランプ大統領の中国名指し批判を紹介しよう。

例えば、「我々は見えない敵と激しい戦いをしている。チャイナ・ウイルスだ」と、かねてお気に入りの呼称を繰り返し、感染症名に特定の地域名を使わないという世界保健機関(WHO)ルールを踏みにじった。

「明るい未来を追求するならば、この病気を世界に放った国の責任を問わなければならない。中国だ」、「中国は国内の移動を封鎖しながら、海外への渡航を認めて感染を世界に広げた」、「WHOは中国にコントロールされている」など、言いたい放題だった。

そのうえで、国連が掲げてきた多国間主義を全面的に否定。「自国民を大事にしなければ、協力の基盤は構築できない」と主張して、自らのアメリカ第一主義を金科玉条とし、「他の国も自国を最優先すべきだ」と意見する始末だった。