ヨーロッパで「日本のランドセル」が絶賛されている理由

海外で浸透する日はそう遠くない
磯部 孝 プロフィール

外国人から絶賛される「ものづくり」

もとより小学生が多少手荒に扱っても6年持つランドセル。その頑丈さはもちろん、ノートPCも楽々入る容量の多さ、日本製からくる高品質なイメージを評価されたのだろう。ファッション性に加え、その機能性も評価されていた。

日本のアニメの影響も、海外での認知度に一役買ったと言える。『ドラえもん』や『ちびまる子ちゃん』など、小学生が主人公のアニメでは登下校シーンに必ずといっていいほどランドセル姿が映る。そうしたシーンを見た日本に精通する外国人が、興味を持ってランドセルを愛用し始めるといったケースは少なくないようだ。

また、日本人から見ると「大人がランドセルを背負う」姿は見慣れないかもしれないが、少なくともヨーロッパではランドセルに違和感を持たない土壌があったと言える。ランドセルと同様、学生カバンから派生したファッションバッグの存在だ。

学生カバンから派生した「サッチェルバッグ」(Photo by GettyImages)
 

イギリス生まれの「サッチェルバッグ」。これも伝統的な学生カバンだが、機能性が高く上質であることから女性の支持を受け、大人も使えるバッグとしてファッション向けに派生した経緯を持つ。ちなみに、映画『ハリー・ポッター』に登場した際に広まったこともあり、ランドセルとの共通点を感じさせる。

日本のランドセルは子供の成長とともに生き続ける商品として、永く愛されてきた。その確かなものづくり力と商品への信頼は、子供ならず大人世代にまで共通認識として形成されているように思う。

ならば、その日本のクラフトマンシップの精神が、世界共通の価値観として外国人に評価されるのも十分納得できる話だ。海を渡って多くの人たちに「ランドセルは永く使えるカバン」と浸透する日もそう遠くないかもしれない。