ヨーロッパで「日本のランドセル」が絶賛されている理由

海外で浸透する日はそう遠くない
磯部 孝 プロフィール

老舗メーカーを襲う他業種の参入

2023年には、新・小学一年生の数が100万人の大台を割り込む時代に突入する。いまの市場規模感を維持し続けるためには、現在49000円である平均価格を、少なくとも50000円台へ、実に1000円以上値上げする必要が生まれてくる。

もしこの理論通り、さらなるランドセルの高額化が進めば、他業態からの参入プレイヤーが増加するだろう。また、競争によって供給量が増え、「高価格/低価格」の二極化が進んでいくとも考えられる。

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すでに他業態から参入したプレイヤーとして、インテリア小売大手のニトリが18000円~、ネット通販大手のアマゾンが9980円~の低価格ランドセルを販売。しかもそれぞれ6年間の保証付きと、業界内でその存在感を強めている。

老舗ランドセルメーカーにとっては、歯止めのかからない少子化、次々と他業態からプレイヤーが参入し、パイを奪い合う状況は芳しくないはずだ。その点で、今回セイバンが国内ではなく海外へ目を向けたのは、先を見据えた決断と言える。

そもそもランドセルが、海外で脚光を集め始めたのは2014年頃のこと。アメリカのハリウッド女優で当時ファッションアイコンとしても知られたズーイー・デシャネルが真っ赤なランドセルを背負ったプライベートの様子が写真で撮られたのである。

すると、モデルやスタイリストといったハイセンスな人たちの間で、ランドセルを使ったコーディネートが流行。AmazonやeBayといった通販サイトでも取り扱いされるようになり、次第に一般人にも浸透していった。