彼に貢ぎ乱暴に扱われるのは、自分への罪の意識

デートといっても、地元のラブホテル。彼は酒が飲めないし、麻里子さんがクライアントや友達と行くような、客単価2万円を超える高級レストランには行かないし、行けない。お互い、別世界で生きているからだ。

「そんなの嫌じゃない? って言われるかもしれませんが、逆に余計なこと考えなくていいから、精神的にはラクなんです。

借金が加速したのは、彼と付き合ったこの8カ月間。毎回のホテル代は当然のように私が払っています。それだけではなく、彼のソーシャルゲームの課金、パチンコの種銭をあげている。会うたびに“金、貸して”と言われるから、つい、3万円、5万円と渡してしまう。

たまに“20万円貸して”と言われることもある。それにこたえてあげると、彼が子どもみたいにうれしそうな顔をするのが嬉しい。もうお祖母ちゃんと孫のような関係かもしれません」

金をより多く払う方が、人間関係で優位に立つ傾向がある。麻里子さんにその快楽がないかを質問した。

「確かに、あるかな、そういう感覚も。
でも、それと同時に罪を償っている感覚もある。実は、彼のセックスは独りよがりで、勘違いが多く、お世辞にもうまいとは言えません。たぶん、アダルトコンテンツを見て、それが正しいと思っているような力づくのやり方で求めてくる。少しも気持ちよくないし、ただ単に痛いだけ。でも、そうされていると、罪を償っている気もするんです」

罪というのは何なのか。彼の妻に対する罪悪感?

「それはないですね。彼の妻は、私がみたときもそうだったし、彼の話を聞いても、彼のことをないがしろにしているみたいなので、罪の意識は正直感じません。

私が言う“罪”というのは、親の期待に沿えなかった自分に対してです。親が何百万円も塾代をかけ、塾弁を3年間も作り続けてくれたのに、中学受験に全落ちし地元の学校に行ったこと。その後も親が望むスポーツ少女にならなかったこと。それに結婚もしていないし、孫も産んであげていない」

親からの過干渉に過剰な期待。口うるさく言われた日々が、罪の意識に。photo/iStock

だから勉強と仕事を頑張ってきた。

「20~30代半ばまでは、親が私に期待していたことと、現実の私との乖離を分析しては、死にたくなっていました。彼に貢いで抱かれていると、そういうことが忘れられる」