目下、台風12号が接近、上陸の警戒が報じられている。過日の台風10号も、大型被害をもたらす危険性があると注意喚起された。
台風シーズンになると必ず話題になるのが、日本に近代史上最悪の災害をもたらした伊勢湾台風の存在だ。伊勢湾台風とは、約60年前の1959年の9月26日に日本に上陸した台風である。
この台風が和歌山県の潮岬に上陸した時点の中心気圧は約929hPa。愛知県温海町の伊良湖では最大風速(10分間の平均風速の最大値)は45.4m/s、最大瞬間風速55.3m/sを記録した。
「伊勢湾台風」と名付けられたのは、特に愛知県・三重県にある伊勢湾で高潮が発生し、多くの犠牲者を出したからである。伊勢湾台風では名古屋港で約3.5mもの記録的な高潮が発生して、堤防が決壊し大規模な浸水が発生した。
当時不十分な防災対策のまま海抜0m地帯が市街化していたことや、大量の木材が名古屋港内の貯木場に集まっていたこともあって、木材が海水とともに周辺低地域の市街地に突入し、護岸や民家などを破壊した。
こうして、愛知県や三重県などの死者・行方不明者が5,000名以上。過去のデータを調べてみても、伊勢湾台風がここ100年で最も強いレベルの台風であることは間違いない。
昨今の夏の猛暑や雨の降り方の激しさなど、気象が以前よりも激甚化しているように感じる人は多いことだろう。これには、地球温暖化もある程度関係しているのではないかと考えられている。
台風についても、同様だ。台風のエネルギー源は海面水温である。もし、地球温暖化の影響で海面水温が年々上昇しているのであれば、確かに台風の勢力は増していくはずだ。