昔の人々の息遣いが今も感じられるような古民家の2階に、生活道具であり、美術であり、工芸でもある安藤さんの作品が並ぶ。ヨーロッパの古い器を愛用しているという長田さんが惹かれるのは、やっぱり白。

日本古来の文化について、はたまた岐阜の歴史、’60年代の権威主義が崩れてからのカウンターカルチャーについて、そして現代美術の課題まで、安藤さんの話は縦横無尽に飛び交いながら、とても面白い。今後は自身が表現したいことにより力を入れていくつもりだとか。

「以前、坂田和實さん(東京にある〈古道具坂田〉のオーナー)が20年使い続けてくれたという僕のお皿を見て、感動したんです。欠けた部分を継ぐこともせず、ひたすら使い込んでいた。それはもう素晴らしいアートになっていたんですよ」

自分が作ったものをどう使うかは受け手次第。使う人によっては器がアートにも実用品にもなるという話を静かに聞いていた長田さん。

中国茶で使う小さな「茶杯」や「茶托」もさまざまな形や色が充実。

中国茶に話を戻すと、「生活工芸」という概念が話題になっていた頃、台湾では日本のライフスタイルマガジンがブームに。〈ギャルリ百草〉にも台湾から器を買いに来る人が多く、そのうちの1人の茶人がやがて中国に渡り、中国茶に日本の茶室の文化を融合させ、素晴らしい茶席を作った。

「青磁は水色が美しく見えるよ」と安藤さん。

それを見た安藤さんは「私たちも日本独自のものを作っていかなくては」と刺激され、同時に中国茶のおおらかな世界観にも惹かれて、どんどん夢中になっていったそうだ。そんな話を聞きながら、やっとのことで器を選んだ長田さん。

カフェのショップコーナーでは、安藤明子さんが実際に愛用している調理道具やイタリアの食材などを販売。多治見の〈シュクレメディシナルハーブ〉のハーブティはお土産にも◎。カフェには岐阜の〈オーガニック ヴィーガン スウィーツ〉のアイスクリームも。「絶品なんですよ」と明子さん。

「お話も聞きたいし、器も決めなくては、と気が焦ってしまったけど、直接お会いできてよかった!」

手に入れた器を大事そうに抱えて、早くもどんなお菓子が合うだろうかと考えている様子。