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孫正義の「戦慄すべき投資能力」、ついにソフトバンク非上場化で「イグジット」…なのか?

アーム社「4.2兆円売却」の狙い

ソフトバンクグループが傘下の半導体設計会社英アームを、半導体大手エヌビディアに最大400億ドル(約4兆2000億円)で売却する。ソフトバンクは2016年に3兆3000億円を投じてアームを買収したが、今回の売却によって最大で約1兆円の利益を得ることになる。

今回の取引は同社の歴史の中でも、極めて大きな意味を持つ可能性がある。その理由はズバリ、今回の売却をきっかけに、ソフトバンクグループの非上場化が計画される可能性が高まってきたからである。これはあくまでも現時点における筆者の推測に過ぎないが、市場関係者の間では以前から非上場化の噂があった。もし非上場化に成功すれば、同社のオーナーである孫正義氏は、自らのビジネスを完全にイグジット(投資した株式などを売却し、最終的に利益を得ること)できたことになる。

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孫正義の恐るべき「投資の才覚」

ソフトバンクグループは2020年9月14日、グループ(本体およびファンド)で保有するアームの全株式をエヌビディアに売却すると発表した。取引時点において現金100億ドル、エヌビディアの株式215億ドル相当が支払われるが、残金はアーム社の業績次第で変わるので、金額の合計は最大で400億ドルになる。

2016年に同社がアームを3.3兆円で買収した時には、価格が高すぎるとして批判が殺到した。また、なぜアームを買収するのかシナジー効果が見えないとして、買収理由について訝しむ声も上がった。筆者は、アームの買収について、記者などから多くの質問を受けたが、「直接的なシナジーはなく、スマホ関連分野において1丁目1番地にある企業を買収したということであり、その後の展開は状況次第でどうにでもなる」と説明してきた。

ITビジネスは変化のスピードが速く、どんなに優れた経営者でも10年先を正確に予測することは不可能である。だが、具体的なビジネスモデルこそ予想できなくても、10年後も大きなプレゼンスを保っている技術を見極めることはできる。