中国に学べ!アリババの新しい小売戦略「ニューリテール」ここがスゴい

世界中のマーケターが注目
永井 竜之介 プロフィール

なぜ日本からは生まれないのか?

フーマのビジネスアイデアが出たとしても、日本の企業であれば、さまざまな角度からネガティブ・チェックが入れられ、実現が極めて困難であることは想像に難くない。

しかしフーマは、これだけ欲張った価値をビジネスとして実現させることに成功した。これは、リスク回避よりも価値最大化に注力する中国式マーケティングだからこそ、生み出せたものだ。

さらに、生鮮食品だけがニューリテールのゴールではない。2019年の冬、深圳にオープンした「フーマモール」には、フーマフレッシュに加えて、カフェ「奈雪の茶」、ユニクロ、ファーウェイなど計60ほどのテナントショップが入っている。これらのテナント店舗の商品も、フーマ専用アプリからまとめて購入・配送を利用できるようになっている。ニューリテールの革新は、まだ始まったばかりだ。

消費者に自由と便利をもたらすニューリテールは、コロナ禍によって、さらに普及を加速させている。外出自粛期間をきっかけに、これまで利用していなかった人たちも、緊急の需要からニューリテールの価値に気付いたのだ。

 

2020年の上半期、各社の生鮮食品ECは昨年同時期と比べて3倍から7倍にまで激増した。アリババが開拓したニューリテール市場には、新たな生鮮ECベンチャー、既存小売大手などが続々と参入していっており、激しい市場競争と共に、各社が競い合ってサービスを進化させ、ニューリテールの普及は広がりつづけている。