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中国に学べ!アリババの新しい小売戦略「ニューリテール」ここがスゴい

世界中のマーケターが注目
アリババ、シャオミ、DJI、バイトダンス、美団点評……。世界最速成長を遂げている中国ベンチャー。これら企業の独自のマーケティング戦略に迫るのは、初の単著『リープ・マーケティング』を刊行した永井竜之介氏だ。中でも今、世界から注目を集めているのが、アリババが推進する新しい小売戦略「ニューリテール」だ。「ニューリテール」とはいったい何か? そしてなぜ日本からは生まれないのか? その深層を解説する。

「中国式マーケティング」が熱い!

「これまで欧米のマーケティングは万能で、世界中のビジネスに当てはめることができると考えられてきた。しかし、中国のマーケティングは、それが誤りであると確信させるものだ。中国は、欧米のマーケティングよりも速く、安く、そして効果的な、独自の中国式マーケティングをつくりだしている。固定概念に染まった欧米のマーケターは、中国のマーケティングからもっと学ぶ必要がある」
(Whitler 2019/「What Western Marketers Can Learn from China」)

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これは2019年の春、アメリカのハーバード・ビジネススクールが発行する研究誌『ハーバード・ビジネスレビュー』の論文で主張されたものだ。現在、アメリカのマーケターの間では、中国のマーケティングを分析し、優れた点を学び取る流れが進んでいる。

それはちょうど1980年代の日本のバブル期に、アメリカが日本企業から学ぼうとした構図によく似ている。当時、自動車や家電を筆頭に、日本企業は「ジャパン・アズ・ナンバー1」と称され、多くのアメリカのマーケターから注目を集めた。トヨタやソニーなどのビジネスが分析され、「どこが優れているのか」が探し求められた。その対象は、2020年代から本格的に中国になる。

 

世界から分析対象として注目を集めている中国式マーケティングの1つに、「新しい売り方」がある。そもそも、キャッシュレス決済と、それを前提にしたモバイルオーダー・サービスが中国ほど深く広く浸透している国は他にないだろう。

そこで、世界最大の市場となっているフードデリバリー、独自の発展を遂げているライブコマース、拼多多(ピンドゥドゥ)が火をつけたソーシャルコマース、コロナ禍で展開を加速させた無人販売やVR・ARショッピング、顔認証サービスなど、世界最先端の新しい売り方が次々に進展している。