肉は賛否両論がはっきり分かれています。私が調べた200冊の本のうち、賛成派は約65%、反対派が約35%でした。
お肉賛成派の主な主張は、「肉は、良質なたんぱく質やミネラルなどを豊富に含んでいる」「人間はもともと狩猟採集民だったため、肉食は最適」「肉は血糖値の上昇をもたらさないので良い」などというもの。一方の反対派は、「肉には発ガン性がある」「人間は狩猟採集民の時代に穀物を食していたので、肉食より菜食に適している」「畜産が地球環境の汚染を加速化させているので良くない」「動物愛護の観点で良くない」などという意見です。どちらにもそれなりに妥当性があるので、判断が難しいところです。
まず、肉が人間の体にもたらす効果について見てみましょう。肉は良質なたんぱく質を含んでいます。たんぱく質は体の骨格から筋肉、皮膚、毛髪、内臓など、あらゆる組織を構成する材料となり、人間の体にとって必要不可欠なもの。そのたんぱく質を効率的に摂取できるため、肉は重要な存在とされています。老化とは、体のたんぱく質と脂質が糖と結びついて劣化することだといわれますが、肉を食べなければ、老化が進み、病気にかかりやすい体になるそうです。
たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されており、そのうちの9種類は体内では作れないため、食事から摂る必要があります。肉は、そうした体で作れない必須アミノ酸をたっぷり含んでいます。さらに、肉は多幸感を生み出すセロトニンや、睡眠の質を上げてくれるメラトニン、やる気を増大させるノルアドレナリンを生成するヘム鉄を多く含むため、精神的にも良い影響があるという研究結果もあります。
血糖値を上げにくい性質を持つため、糖尿病などの予防にもなります。また、満腹中枢への刺激が炭水化物や脂質よりはるかに効率的なので、食べ過ぎのリスクも少なく、ダイエットにも効果があるそうです。