もちろん、日本にも患者の立場に立って親身に対応してくれる産婦人科医はいるだろう。でも、私の運が悪いのか、これまでいろいろな病院に通ったなかで、そうした医師に出会ったことはない。避妊や性感染症のこととなると、批判的な視線で突き放したような物言いをする人が多い印象だ。

FRaU WEBの記事「教師の性暴力に苦しんだ女性の告白『先生は一切避妊をしなかった』」では、女子高生のときに性暴力を受け、産婦人科で緊急避妊薬を処方してもらおうとしたら産婦人科医から呆れられたうえ、「このような事態が二度とと訪れないように万全を期します」という文章が書かれた紙にサインするように言われた女性のエピソードがシェアされていたが、日本で性感染症の検査がルーチン化しない一因は、こうした産婦人科医の態度や意識にあるのではないだろうか。

これは医師個人の人間性の問題ではない。出産が神聖視される一方で、性がタブー視されている日本社会の価値観の問題だ。

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今年7月に、日本産婦人科学会の副会長がNHKの番組で、緊急避妊薬を薬局で購入できるようにする動きがあることについて、「“じゃあ次も使えばいいや”という安易な考えに流れてしまうことを心配している」と、避妊が性の乱れにつながるかのような考えをもっていることを露呈した件も記憶に新しい。

生理の痛みも出産の痛みも、自らの身を守るための行動も、決して我慢すべきものではない。日本の女性たちが一日でも早く、「無駄な痛み」から解放されることを切に願う。