さらにNYでは、非営利団体が運営する医療サービスに行って所定の手続きを行うと、学生は無料で避妊注射を受けられたし、避妊用ピルももらえた。大学を卒業した後は、収入に応じて0~150ドルを支払うことになる。私の場合、避妊注射は1回60ドルだった。つまり、アメリカに住んでいる女性は、地域にもよるが、学生ならば無料、社会人になっても年に数万円で生理と妊娠の心配から逃れることができるのだ。

2:出産の痛み

日本は欧米に比べて、無痛分娩に対する理解も進んでいないように思う。妊娠5ヶ月で帰国した私にとって、無痛分娩は当然の選択だった。周りのほとんどのアメリカ人女性が無痛分娩を選んでいたし、痛みに弱い私は陣痛の不安に震え上がっていたからだ。ラッキーなことに、計画無痛分娩をするという私の選択に家族の誰も反対しなかったのだが、なんと反対する人が現れた。内科医である私の女友達だ。

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麻酔科医が一歩間違えば、母体の下半身マヒや心臓停止などの合併症を起こすから、やめたほうがよい、と彼女は言う。「無痛分娩の無用なリスクを負うくらいなら、痛みに耐えたほうがいいんじゃない? お産は昔から女性が耐えてきたものだし」と。だが、合併症の確率を教えてほしいと彼女に聞いても具体的には答えられなかったし、そもそも、彼女は帝王切開で自分はお産の痛みを感じてもいなかった。

とはいえ、彼女は20年以上も医師を続けているし、なにしろ同じ女性だ。少し心配になった私は、スタンフォード大学を卒業し、ワシントンDCの大病院で勤務する日系アメリカ人男性の麻酔科医の友人に彼女の話をしてみた。