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日本のビジネスマンが「弱いつながり」を仕事に活かせない理由

イノベーションが生まれない根本原因

「弱いつながり」と「強いつながり」

テレワークが普及し始めた春頃からよく耳にするようになったのが、「人間関係が希薄になりました」という声である。一方、「嫌な人に会わなくてよくなってほっとしました」と前向き(?)に捉えている人もいる。人との密なコミュニケーションができなくなる、嫌な人と会わない、いずれも、人との関係が弱くなることにより生じる現象である。

「強いつながり」に慣れてきた日本人は、あまり親しくない人との「弱いつながり」にとかく違和感を覚えるものだが、SNSが発達し、さらにテレワークが普及してくると、「弱いつながり」という現実とも付き合っていかなくてはならない。それゆえ、「弱いつながり」に関する理論を知っておいたほうがいいだろう。

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アメリカの社会学者・マーク・グラノヴェターは、人脈について分析を行い、「弱いつながりの強さ」を理論化した。斬新なアイデアや新しい経験や方法を必要とする場合は、「弱いつながり」の人と交流したほうがより大きな成果につながることを証明したのである。たとえば、転職においては、「弱いつながり」の人を通して仕事を見つけた比率が83%と圧倒的に高かった。

人脈の効用については、この理論が体系化される1973年まで「強いつながり」のみが注目され、「弱いつながり」については、ほとんど研究されてこなかった。もっともSNSどころか電子メールさえなかった時代に、常識を覆す研究結果を発表した彼の先見性には驚かされる。温故知新とはよく言ったもので、テレワーク時代になり、再びこの理論が注目されることだろう。