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中国で、松浦弥太郎の「ていねいな暮らし」が大流行していた…!

ミドルクラスに、まさかの大ウケ

中国で流行っている意外な本

先日、日本語の本を中国語に訳している翻訳家の友人(中国人)と話をしていたとき、

「今、どんな本を翻訳しているの?」

と聞いてみた。どんな日本の作品が中国で受け入れられているのか、興味があるのだ。

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すると「今は花森安治に関する本を翻訳しているのよ」と言ってきたので驚いた。花森安治の本を中国語に翻訳して、いったい需要はあるのだろうか。

花森安治とは、言わずとしれた雑誌『暮しの手帖』の初代編集長だ。ユーザー目線に立って家電を実際に使用し結果をレポートする「商品テスト」という企画や、記事の中立性を守るために他企業の宣伝広告を一切掲載しない姿勢など、『暮しの手帖』の土台を作り上げた人物として有名だ。

NHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』で花森をモデルにした人物を唐沢寿明が演じていたこともあって、日本では知られているが、はたして中国人がどれだけ知っているのか疑問である。彼女に率直に尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。

「中国では、元『暮しの手帖』編集長の松浦弥太郎さんの人気が凄くて、『ていねいな暮らし』というキャッチフレーズも流行っているの。中国語では『用心过生活』って言うんだけど、この理念を実践する人たちもたくさんいるよ。なにも富裕層に限った話じゃなくて、普通より少しだけリッチなミドル層にも浸透しているの。だから『暮しの手帖』つながりで、花森安治への関心も高いわけ」

「ていねいな暮らし」とは?

「ていねいな暮らし」とは、元『暮しの手帖』編集長の松浦弥太郎氏が提唱したライフスタイルで、日本では2010年ごろから流行し始め、2018年あたりにブームのピークを迎えた。

そのライフスタイルとは、「地に足をつけた暮らし」というか、「行動のひとつひとつをきちんと意味を持ってこなす」「ひとつの作業に一手間加える」という主張だと思われる。もともと理念的な言葉だったため、そこから各人が思い浮かべるライフスタイルは多種多様だ。