日本株市場、菅首相の誕生でいよいよ「黄金期」がやってきそうなワケ

経済政策は期待できるものばかり
村上 尚己 プロフィール

マクロ安定化政策以外にも、菅首相は携帯電話の通信料金引き下げにも言及している。通信料金が通信会社の寡占によって高止まっているとすれば、規制改革によって一律の通信料金が下がり、家計全体にとって減税と同じ効果が及ぶ。

また、軽減税率を適用されている大手新聞を含めた既存メディア等への競争促進なども、大多数の消費者に恩恵が及ぶだろう。これらの規制改革や既得権益の打破は、マクロ安定化政策とともに国民の生活を豊かにする手段になる。

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ただ、これらの規制見直しを実現するには、経済全体の安定成長そして雇用の機会を増やして世論の支持を得なければ、大きな抵抗に直面して実現が難しくなるだろう。菅政権が規制改革を実現するために、コロナ禍の後に失業率が再び3%前後まで上昇しているが、当面は再び経済状況をしっかり立て直して、2%インフレの実現と同時に経済活動正常化を最優先にすることが肝要だろう。

つまり、菅政権が長期政権になるかどうかは、今後繰り出す政策の優先順位、そして実行に移すタイミングそして順番が重要になる。仮に経済安定化政策が不十分で、失業率が高止まったままだと、世論の支持を失い政権基盤が弱まる。そうすると、政治的な抵抗によって目指す改革の実現が困難になり、政治的ダメージを受ける悪循環に陥りかねない。

筆者は、菅政権に対しては安倍政権以上に期待できると考えている。ただ、優先する政策の順番を間違えたり、財政政策を柔軟に行使せず経済安定化政策が不十分であれば、大手メディアなどの背後にいる権益者の抵抗が強まり、こうした中で改革を断行することは菅政権を揺るがす大きなリスクになると筆者は考えている。