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竹中平蔵と小池百合子、平成を象徴する「二人の権力者」の意外な共通点

佐々木実×石井妙子対談

小池百合子東京都知事の「人生の虚実」に鮮烈に切り込み、今年5月に発売されるやいなや20万部のベストセラーになったノンフィクション『女帝 小池百合子』(文藝春秋社)。

その著者である石井妙子氏と、経済学者・竹中平蔵氏の知られざる素顔に迫った2013年の傑作評伝『市場と権力』(講談社、9月15日に『竹中平蔵 市場と権力』として文庫版が刊行)の著者である佐々木実氏が対談を行った。

2010年代、2020年代をそれぞれ代表する政治ノンフィクションがテーマとしているのは、小池百合子と竹中平蔵という一見あまり似ていない二人である。だがお互いの著作を読み込んだ作家の対論からは、この二人の人生に驚くほど多くの共通点があることが見えてきた。

【構成】古川琢也

〔PHOTO〕岡田康且
 

平成という時代を象徴する二人

佐々木 今日はよろしくお願いします。早速ですが、石井さんが小池百合子について書こうと思った動機は何だったのですか?

石井 元々は出版社からの依頼で取材を始めたのですが、その依頼を受けたのがちょうど平成の終わり頃で、「平成という時代の総括をしておかなければ」という思いを私自身も持ち始めていたタイミングでした。

ひとつの時代は、その時代を象徴する人物によって回顧されることが多いものですが、綺羅星のようなスターが数多く生まれた昭和と比べて、平成は俳優や歌手、やスポーツ選手を見ても誰もが知っているという圧倒的なスターは少なくて、権力者も目まぐるしく交代した時代でした。

ところがそういう時代にあって小池百合子という人は、自分が支える相手を次々と乗り換えることで、その時々の権力者のすぐ横に居続けることができた。これはある意味で、平成を象徴する人物と言えるのでは、と思い、興味を持ったんです。

佐々木 なるほど。たしかにそうですね。

石井 竹中平蔵さんについては、佐々木さんが書かれた『市場と権力』を読んで7年前に初めてその人となりを深く知ったのですが、私は竹中さんについても、小池さんと似た印象を持っています。

竹中さんが1951年生まれ、小池さんが1952年生まれとこの二人は同世代ですが、それだけでなく現在の地位に上り詰めるまでの生き方に関してかなりの共通点があるのでは、と思うんですね。

ですから竹中さんのことは、『女帝 小池百合子』の取材・執筆中に何度も意識しましたし、『市場と権力』も何度も読み返して書き方についても多くの示唆をいただいたと思っているんです。