すべての理系人必見!「Cloud LaTeX」のすごい実力

インストールなしでここまでできる!
ブルーバックス編集部 プロフィール

便利に使ってもらうための工夫がたくさん

じつは、「Cloud LaTeX」は、レポートを作成するだけでなく、研究発表用のスライドを出力するBeamerや、LaTeX上で図を描くTikZといった機能(パッケージ)も問題なく動かすことができます。

さらに索引をつけるindexコマンドも利用できます。何度もコンパイルを行う必要もない点は、自分のパソコンにインストールしたLaTeXよりも便利だと感じる場面も少なくありません。

beamerを使用したスライド(左)とTikZにる作図(右)の例(ブルーバックス『LaTeX超入門』より)

入力するエディターも洗練されていて使いやすいのも特徴です。これについては、畠野さんも

「エディターの自動補完機能やショートカットも徐々に充実させています」

と自信をもって答えてくれました。

「ほかにも、ユーザーさんの意見を聞きながら有用なパッケージやスタイルファイルも取り込んでいます。日本の研究者の皆さんが使う「科研費」を申請する書類を作成するためのマクロも使えるようになっています」

スタイルファイルやマクロとは、文書の見た目を決める指定書のようなものです。じつは、LaTeXはこのように決まった形式に従った文書を作成することを得意としています。

たとえば、履歴書のように決まった形式と枠があり、そのなかに収まるように、あるいは枠を追加しながら情報を書き入れていく書類の場合、内容のみを書いていけばあとは綺麗に見た目を整えてくれるのがLaTeXを使う大きな利点です。

Cloud LaTeXに取り込まれている日本語履歴書のテンプレートを使って作成した履歴書。枠や「氏名」「ふりがな」などの文字はすでに用意されていて、ユーザーは自分の情報のみを書き入れればよい。

さらなる「知恵の流通の最適化」に向けて

LaTeXをより便利に使うための工夫が施されているCloud LaTeXですが、まだこれからも進化を続ける予定です。いま取り組んでいるのは「共同編集機能」の実現だそうです。

「研究室のメンバーで論文を共同で執筆したり、原稿にコメントを付けたりできることを最初の目標にして、共同編集の機能を持たせたいと考えています」

科学論文は複数名が著者になり、共同で執筆することが当たり前になっています。そこで、いちいちファイルをやり取りせずに、同じ原稿データを同時に編集できることは大きな魅力です。

さらに、共同編集機能の先には、オンライン講義を支援するシステムなども視野に入れているそうです。

「オンライン講義でCloud LaTeXを使っていただくことがこの数ヵ月で急激に増えました。先生と学生が同じファイルを編集するというLaTeXの機能だけでなく、講義をサポートできるような仕組みを提供できないかと考えています」

Cloud LaTeXはユーザー登録をすれば、誰でも今すぐに使い始めることができます。理系の学生や研究者でなくとも、有効な使い道が見つかるかもしれません。ぜひ使ってみてください。

【会社概要】
会社名:株式会社アカリク(https://acaric.co.jp/
創業 :2006年11月
代表者:代表取締役社長 林 信長
所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階
資本金:1億1500万円
事業 :大学院生・ポスドク向け就活情報サイト「アカリクWEB」の運営、研究分野・業種・職種別イベントの企画開催、大学等でのキャリアセミナーの実施、新卒大学院生・若手研究者・大学院出身者の人材紹介、オンラインLaTeXエディター「Cloud LaTeX」の運営など。
アカリクへのお問い合わせはこちら:https://acaric.co.jp/contact/

『LaTeX超入門――ゼロからはじめる理系の文書作成術』は、LaTeXを初めて使う人に向けて書かれた入門書です。この記事で紹介した「Cloud LaTeX」の使い方にもふれています。ぜひご覧ください。