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「悪夢のドコモ口座」はなぜ生まれた…?ドコモの致命的すぎる勘違い

クレカ事業のドル箱に目がくらみ…
岩田 昭男 プロフィール

「自前の銀行は不要」という油断

ドコモの金融事業は1999年に登場した「iモード」までさかのぼる。インターネット機能を搭載し、携帯電話を通話だけでなく決済などの日常生活のさまざまなサービスに係わるメディアへと変えたiモードは、スマホがまだ無かった当時、まさに画期的なモバイル通信サービスだった。

iモードの開発者として松永真理、夏野剛の両氏がよく知られているが、夏野氏はドコモのクレジットカード事業部に招かれ、2005年に携帯利用者向けのクレジットカード「DCMX」をつくった。残念ながら同カードは不発に終わったものの、ドコモはいずれ銀行を買収して本格的な金融事業に乗り出すと期待されていた。

それくらいドコモの事業は順調で大きな利益を上げていた。その利益をさまざまな投資に振り向けたが、そのなかに金融事業はほとんど入っていなかった。

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銀行をつくるとなれば国の認可を得なくてはならず、様々な制限を受ける。「そんな窮屈な思いをしたくない」というドコモの経営首脳部には、カード事業の延長でカバーできるという思惑があったのかもしれない。

さらに2015年、DCMXをdカードに名称変更し、富裕層向けのdカード・ゴールドの発行を開始したところ大当たりし、年間の発行枚数が100万枚を超えた。年会費が1万円なら、毎年黙っていても100億円が懐に入ってくるのである。

今回の事件の背景には、そうした“ドル箱”を抱えるドコモの油断があったのかもしれない。

2015年頃から、決済の主流がクレジットカードから電子マネーやQRコード決済に徐々に変わっていき、現在はスマホを使った金融取引が出来るまでに至った。それに伴い、セキュリティ管理の重要性も高まっていった。