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難民問題の5年…「メルケルの一言」がドイツとEUの姿を激変させた

「分断」は今も続いている

5年前の今ごろ

「Wir schaffen das!」(我々はやれる!) 

2015年8月31日、メルケル首相が恒例の夏の記者会見で発した言葉だ。このたったの3つの単語が、以後のドイツ社会を、いや、EU全体を徹底的に変えてしまう。

その頃、中東からトルコ経由でギリシャに入り、そこから陸路で北上した難民たちは、ハンガリーで先に進めなくなっていた。

EUでは難民に関することを定めたダブリン協定というものがあり、ハンガリー政府は、自国に入ってきた難民をそのままオーストリアに出すことを禁止されていたからだ。

そこでメルケル首相はドイツ国境を開き、ハンガリーの中東難民を、数の制限を付けずに引き取ると決めた。しかも、国会に問うことも無しに。

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9月4日には、難民がとめどなくドイツに流れ込み始めた。すると、ハンガリーにいた難民だけではなく、ありとあらゆる人々が、あたかも強力な磁石に吸い付けられるようにドイツを目指し始めた。

まもなく、収拾がつかなくなったことに気づいたメルケル首相だったが、しかし、その時にはもうなす術はなかった。

 

ちょうど5年前の今ごろ、ドイツ中の自治体が大混乱に陥っていた。そして、難民をめぐる根本的な問題は、今も解決していないどころか、さらに悪化している。

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