菅首相誕生の「きな臭さ」と想像以上にヤバい「河井夫妻」の悲しき末路

なぜ「熟慮に熟慮を重ねる」前に動いたのか
近藤 駿介 プロフィール

このように考えると、安倍前総理の退陣表明を受けて官房機密費を管理する菅前官房長官と党資金の管理責任者である二階幹事長が真っ先に動き、この二人の会談によって「熟慮に熟慮を重ねる」時間を設けずに一気に「菅新総裁」の流れを作り上げたというのは筋が通る話である。

さらに、今年になってから総裁候補であった岸田氏の存在感がどんどん失われていたのも納得のいくものである。

そして、菅新総理誕生が確実になり1億5000万円の巨額資金の出所が自民党と政府から漏れる心配がなくなったことを待っていたかのように、河井克行被告は「勾留が続いて十分な打ち合わせができないまま、過密日程で審理が進むことに不安を感じた」というあやふやな理由で弁護団全員の解任に踏み切った。

河井夫妻の裁判は迅速な判決を目指す「百日裁判」として週3~4回のペースで12月18日まで計55回の公判期日が指定されていた。しかし、河井克行被告による突然の不可解な弁護士解任で審理が遅れることは避けられない見通しとなり、年明けとみられていた判決はさらに先送りされることが確実になった。これは、裁判を通して資金の出所が明白になるリスクを避ける、あるいは先送りすることを目論んだ行動だったと考えるべきだろう。

 

新政権のきな臭さは拭えないが…

菅新政権誕生の瞬間から世の中の関心は解散総選挙の時期に向けられている。菅新総理の自民党総裁としての任期が21年9月30日まで、衆議院議員の任期満了が21年10月21日であり、1年以内に総選挙が行われることが確実であるから、それは当然のことでもある。重要なことは、菅新総理が解散のフリーハンドを握れるか否かである。

菅新総理は表向き早期の解散総選挙には消極的な姿勢を見せているが、麻生副総理を筆頭に党内に年内、あるいは1月の通常国会冒頭解散など早期解散を訴える声が根強いのも事実である。この早期解散論の前提になっているのは、持病を理由とした安倍前総理退陣表明による同情と、菅新政権誕生に伴うご祝儀相場による支持率の上昇である。