菅首相誕生の「きな臭さ」と想像以上にヤバい「河井夫妻」の悲しき末路

なぜ「熟慮に熟慮を重ねる」前に動いたのか
近藤 駿介 プロフィール

今年の1月の週刊誌報道で自民党本部から案里被告に巨額の選挙資金が渡っていたことが明らかになると、安倍前総理の関与や官房機密費から出されているのではないかという疑問の声が自民党内からも上がり、野党からも説明を求める声が強まっていた。

巨額資金の決裁権者は誰だったのか

今回の総裁選において注目すべき点は、党本部から河井陣営に渡った1億5000万円という巨額の資金の決裁権者が誰だったのかというところである。

帳簿上1億5000万円の支出は「広報費」として処理されており、その責任者は記者会見で「問題はない。最終責任は幹事長にある」と断言した二階幹事長である。そして、もう一つの資金の出所として疑われている、領収書不要で会計検査院監査も免除され、原則使途が公開されることのない官房機密費の管理責任者は官房長官である。

つまり、党の資金と官房機密費から案里被告側に1億5000万円という巨額の資金を渡すためには菅前官房長官と二階幹事長の承認が不可欠だったのだ。

 

仮に菅前官房長官と二階幹事長が安倍前総理の了承のもとにこの巨額の選挙資金の提供を実行していたとしたら、次期総裁が安倍政権に批判的な立場であった石破氏になることはもとより、自派閥の重鎮議員が落選に追い込まれた岸田氏であっても、総理総裁の椅子に座らせるわけにはいかないはずだ。

どちらが総理総裁の椅子に座っても、1億5000万円という巨額の資金の出所に強い関心を寄せることは間違いないからだ。

それは安倍前総理、菅前官房長官、二階幹事長らが隠蔽した秘密が白日の下に晒される危険性を孕むものであり、彼らには看過できないことのはずだからである。

つまり、河井陣営に渡った1億5000万円の資金の出所を隠蔽し続けるためには、3人のうちから総理総裁を出すというのが暗黙の了解だったということである。それは、現実には菅新総理以外に選択肢がなかったということでもある。