クドカン、坂元裕二…男性脚本家の「ジェンダーの描き方」に起きた、確かな変化

フェミニズム的な作品も出てきている
西森 路代 プロフィール

私の記憶では、『怒りのデス・ロード』のほうが先に公開されたのかと思っていたが、今回、改めて調べてみると、『問題のあるレストラン』の放送のほうが、『怒りのデス・ロード』のアメリカや日本での公開よりも半年ほど早かった。似たような構造とフェミニズム的要素を持つ作品が、アメリカではなく、日本でひとあし早く放送されていたのは驚きだ。

 

女の価値はおごられた額で決まる…のか?

『問題のあるレストラン』のストーリーに話を戻そう。個人的に同作で一番「刺さる」のは、ライバル店の「シンフォニック表参道」で働いていた川奈藍里(高畑充希)というキャラクターである。川奈は、「きらきら巻き髪量産型女子」と評されるような人物で、友人たちには「女の価値は人生でいくらおごってもらったかで決まる。割り勘は女の敗北」と豪語している。

当然、周囲の男性にも常に過度に笑顔をふりまき、男性を傷つけるような言動を周到に避けている。そのため、同僚男性につきあっていると勘違いされ、ストーカーされてしまう。彼女にはご飯を食べる女友達もいたが、常に男性におもねった態度を取ってきたために、ストーカー被害を相談しようとしても、いつものモテ(自慢)話なのだろうと、まともにとりあってもらえない。

ストーカー男が待っている自分の家に帰れず途方にくれていた川奈の異変に気づいたたま子は、自分の住んでいる家に彼女を連れて帰る。しかしそこでも川奈は強がり、たま子らに対して奇妙な「アドバイス」を始める。

「みなさんがうちのお店に勝つには」「水着で接客して握手すればたくさん来てくれます」「私、心にいっつも水着きています」「お尻とか触られても、ぜんぜんなんにも言わないですよ、お尻触られても何も感じない教習所卒業したんで」「上手に強く生きてる女っていうのは、気にせず、許して、受け入れて…」

などと早口でまくしたてるのだ。

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