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クドカン、坂元裕二…男性脚本家の「ジェンダーの描き方」に起きた、確かな変化

フェミニズム的な作品も出てきている

日本のドラマにおける「ジェンダーの描き方」が変わっている…と言うと、『逃げるは恥だが役に立つ』の脚本家である野木亜紀子に象徴されるように、女性脚本家がそれを牽引しているという印象を持つ方は多いだろう。

実際、前回の記事では、今クールでは『MIU404』の脚本で話題になった野木と、2021年に朝ドラ『おかえりモネ』を手掛ける安達奈緒子の脚本の作品から、日本のドラマのジェンダーの描き方の変化を主に取り上げた。言うまでもなく、二人とも女性脚本家である。

しかし、じつは男性脚本家の作品においても、ジェンダー観は大きく変わり、フェミニズム的な要素をもった作品が生まれている。今回は、男性脚本家はどう変化しているのかを追ってみたい。

『問題のあるレストラン』の先見性

日本で最初にフェミニズムを真っ向から意識してドラマが描かれたのは『問題のあるレストラン』ではないかと考えている。放送は2015年1月。脚本は、『東京ラブストーリー』(1993年)、『最高の離婚』(2013年)、『カルテット』(2017年)、そしてコロナ禍の今年、『Living』、『スイッチ』という短編ドラマを世に送り出してきた坂元裕二が手掛けている。

 

坂元はそれ以前の『最高の離婚』などを見ても、男性と女性それぞれの立場からの繊細な心の動きを描いてはいた。だが、『問題のあるレストラン』は、よりストレートに、男女によって社会的な出来事を受け止める際にどのような違いがあるかを描いた作品である。

一話のサブタイトルはズバリ『セクハラパワハラ、女は我慢しなきゃいけないの?』というもので、主人公の田中たま子(真木よう子)が友人たちをとあるビルの屋上に集めるところから始まる。