日産自動車の借入金に、政府が保証を付けている事が明らかになった。
5月に政府系金融機関の政策投資銀行が行なった1800億円の日産への融資のうち、1300億円に政府保証がついていたと朝日新聞が9月7日の朝刊1面トップで報じた。「日産に政府保証融資1300億円 政投銀 返済滞れば8割国負担」という刺激的な見出しだった。
5月の段階で、日産への融資のうち、みずほ銀行の3500億円について、2000億円に日本貿易保険通じた政府保証が付いていた事が明らかになっていた。結局、5月に行われた7000億円の融資のうちほぼ半分を政府が保証していたことになる。
政府は4月末に成立した補正予算などで、新型コロナウイルスの蔓延で打撃を受けた企業への金融機関の融資を支援するため、政府機関を通じた政府保証などの拡充を決めた。それを真っ先に利用したのが日産ということになる。
朝日新聞は記事で「政投銀はコロナ関連で大手・中堅企業に147件(約1.8兆円)の危機対応融資を実行したが、政府保証つきは日産の1件のみ」だったと指摘している。
新型コロナの打撃を受けているのは日産だけではない。にもかかわらず、なぜ日産を真っ先に助けるのか、国民負担になりかねない保証の実行を誰が決めたのか、明らかになっていない。果たして日産を真っ先に国が助ける「大義」はあるのだろうか。