止まらない芸能人の「自死」「薬物」「退所」…いま芸能界に何が起きているのか?

不倫騒動をはるかに超える深刻さ
木村 隆志 プロフィール

芸能人よりインフルエンサーに

3つ目の退所ラッシュは、一見ポジティブなものと思われがちだが、実際は「所属事務所への不満」というネガティブなものに端を発したものだ。

「1年前では考えられないくらい、事務所に対して強気の芸能人が増えた。これは公正取引委員会の目が光り、事務所の圧力とメディアの忖度が減ったことが大きい。だから辞めるときは芸能人も事務所も“円満退社”をアピールしている」(バラエティ番組スタッフ)

剛力彩芽さん/photo by gettyimages

報酬などの待遇、仕事の選別、経営方針、事務所内の人間関係などに不満を抱き、改善されなければ迷わず退社を選ぶ芸能人が増えているという。SNSでの発信やプライベートの振る舞いも含め、これまで窮屈さを感じてきた人ほど自由を求めて退社を選び、業界内には「今春がその分水嶺になった」という声もある。

「『テレビに出してもらってお金をもらう』より、『YouTubeで稼ぐ。イベントや物販でファンから直接お金を払ってもらって稼ぐ』ことに魅力を感じる人が増えた。もちろんテレビもやりたいけど、そのために他のことを我慢しないというか、『自分の力を試してみたい』と思う人ほどこの傾向がある」(芸能事務所関係者)

今年の春から夏にかけて、コロナ禍で自由な時間の増えた芸能人たちが、次々にYouTubeやインスタライブをはじめている。似たレベルの芸能人が成功している姿を見て「自分もいけるのでは」と思うのも、はじめてみて「退所したらもっとやりたいようにできるのでは」と考えるのは、時代の流れとして必然と言えるかもしれない。

取材していて感じたのは、これまでの芸能人というイメージより、インフルエンサーになろうとしている人が増えていて、「稼ぎたい」という金銭欲がある人ほど、その傾向が強いこと。これは以前よりも、「芸能人であることや、テレビ出演のプライオリティが高くない」ことの表れだろう。