止まらない芸能人の「自死」「薬物」「退所」…いま芸能界に何が起きているのか?

不倫騒動をはるかに超える深刻さ
木村 隆志 プロフィール

クローズドな空間が増えた弊害も

次に薬物による逮捕だが、これは長年にわたる常習者がほとんどであり、「今だから増えた」という可能性は低いのではないか。

ただ気になるのは、「このところ過激な設定の役柄が増えて、俳優に負担がかかっている。『仕事だから』と頭では理解していても割り切れずに、けっきょく酒や薬物に溺れてしまう人はいると思う」(芸能事務所マネージャー)という声。

伊勢谷友介さん/photo by gettyimages

殺人事件を扱う刑事ドラマや生死がテーマの医療ドラマが毎日のように放送されているほか、「子どもを捨てた」「虐待されて育った」「猛烈なイジメに遭っている」「DVに悩まされている」などのハードな役柄は多い。制作サイドも、「それくらいの強烈な設定でなければ視聴者を引きつけられない」とみなしている感がある。

実際、俳優へのインタビューで「しんどかったです」「もうこの役は演じたくない」などと聞くことが実感として増えている。もちろん、だからと言って薬物に手を染めていいわけではないが、没頭するタイプの俳優ほどダメージを負いやすい役柄が増えているのは間違いない。

もう1つ見逃せないのは、SNSとスマホの普及に関する声。

「いつどこで一般人に撮られて、何を書き込まれるか、わからない。リスクの高い時代になったことで、芸能人たちがお酒を飲む店がこれまで以上にクローズドな空間になっている。だから『いい店がある』という噂は広がりやすく、『行ってみたら薬物を勧める人がいた』という話も聞いた」(週刊誌記者)

「芸能人が出入りしやすい店が限られ、そこに狙いをつける薬物の売人がいても不思議ではない」ということらしい。

薬物に手を染めない最大の対策は、接触の可能性をできるだけ減らすこと。それだけにクローズドな空間で面識の少ない人と会うことはハイリスクであり、「担当の芸能人がストレスで酒量が増えたら警戒する」のはマネージャーの基本となっている。

 

そのストレスは「やはり」と言うべきか、ネットの発達で飛躍的に増している。

「誹謗中傷は言うまでもなくかなりのストレスになりますが、『自分ではなく仲間へのバッシングを見て心を病んでしまう』という人もいる。それと、SNSのフォロワー数やYouTubeの再生数などで人気が可視化されてしまうのも、本人たちにとってはかなりキツイらしい」(バラエティ制作スタッフ)

「ある女性タレントが『劣化した』というコメントと同調する『いいね』に心を病んで休業に追い込まれた」という話を聞いたことがある。現在ならコロナ禍による外出自粛で「太った」「整形した」などの外見に関するものや、「もう二度と見たくない」「このまま引退しろ」などの存在そのものを否定するコメントが芸能人たちを苦しめているようだ。