30キロ痩せても彼から認められず、過食衝動に……!

A氏と出会った頃に80キロほどあった体重は、30キロ減り、最終的に47キロになった。周りの人が痩せた私を見て驚き褒めてくれること、太っていた時代を知らない人に可愛いねとか足が長いねなど外見を褒められることも嬉しかった。

30キロ以上減量した頃のなおさん。とにかく痩せることに必死だったという。写真/吉野なお

褒められることで自信がついた反面、心の中ではまだ自分が太っているような感覚と、体重が増えることへの恐怖心でいっぱいだった。ダイエット前よりも、常に食べ物や体重のことを考えながらイライラし、頭の中は霧がかかったようにモヤモヤして物事に集中できなくなっていた。痩せたことに対する自信も、ギリギリの精神力の中で保たれていたのだ。

そんな私に彼は「あともう3キロ痩せよう、ここまで痩せたなら、もっと痩せられるよ」「痩せたらペアリング買ってあげるよ」「◯◯◯ホテルの良い部屋を予約するから頑張って」と言った(しかも結局これは言葉だけだった)。

あと3キロ……。30キロ痩せてもまだ彼は私を認めてくれず、手放しで愛してくれなかった。

確かに私も痩せたかったけれど、目の前に人参をぶら下げられてずっと走り続ける馬のようだった。息苦しく、綱渡りをしながら生きるような毎日。気付くと生理不順が当たり前の体になり、私はもう精神的にも肉体的にもボロボロで、仕事に行くことも難しくなっていた。

ある時から、食べることに対する強い嫌悪感と極端な過食衝動にかられ、自分の感覚が正常ではなく摂食障害だと自覚するようになった。

彼のモラハラ言動が脳を蝕み、食べることが次第に恐怖に変わってしまう。photo/Getty Images

意を決して心療内科にも行ったが、彼は心の病気について理解がなく「言い訳するな」「食ったら太るんだから食わなきゃいいだけ」「食べるのを我慢できないお前が悪い」「ただの甘えだ」などと言って私を突き放した。苦しさを理解されないことが何よりも辛く、太っていく自分の体も嫌いで、リバウンドしたことで人に会うことも避けるようになった。

A氏のことを友達に話すと「そんな男、早く別れた方がいいよ」と言われていたのだが、私はなかなか別れることが出来なかった。あの頃の私はかなり自尊心が低く、自分のことを好きになってくれる人はもう他に現れないかもと思っていた彼はそこにつけこんでいたし、共依存関係にもなっていた