デブ=ダメ人間のレッテル貼りで支配的になる彼

いつの頃からか、その日に食べたものや体重をメールで彼に送ることが日常のルールになり、少しでも体重が増えると「だからお前はダメなんだ」「意思が弱い」「デブは女として見れない」など人格否定するようなことを言われるようになった。一緒にレストランに行っても「これはお前は食べちゃダメ」と食べる料理を制限され、気分良く食事を楽しむことが出来なかった。

年の離れた社会人彼氏というと、奢ってもらったり何か高額なプレゼントを買ってもらうことを想像する人もいるかもしれないが、そういった良い思いはほとんどしなかった。むしろ私がなけなしのバイト代から食事代を出したり、りんごのマークの入ったパソコンをねだられて買ってあげたこともある(今でもこれを思い出すとコンクリートの壁に頭を打ち続けたいぐらい激痛を伴う話だ)。

彼は貧乏なわけではなく、有名企業に勤めてかなり稼いでいたが、年上だからと奢ったりすることで私が甘えた価値観の彼女にならないよう厳しくしているのだと語り、「年下の彼女に奢ってもらえるなんて嬉しい! 早く出世して俺より稼いでくれよ〜」とかなんとか言っていた(ああもう千の風になりたい)。

体型だけでなく、彼はなおさんの生活のすべてをコントロールするようになった。photo/iStock

ここまで読んで「この男やばいな」「なんでそんな人と付き合っちゃうの!?」「これモラハラだよね」と思っているあなたは正常だ。

しかし体型や容姿を気にして自信の無い人生を送っていた私にとって、A氏からの態度は痛いムチであると同時に、自分が向き合わなければいけない現実なのだと思い込んでいた。痩せて彼に認められたい、愛されるために、世の中にいる人たちから容姿を侮辱されないために自分を変えなくてはいけないという思いで必死だった

そしてこの歪んだ思い込みが、その後何年もひきずる『呪いの価値観』になっていった。