TBS『おカネの切れ目が恋のはじまり』公式HPより

三浦春馬が遺作『おカネの切れ目が恋のはじまり』で見せた、俳優としての底力

コミカルだが陰もある演技が見事…!

「金銭感覚」を軸に進むストーリー

『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)の放送がいよいよ始まった。本作は、松岡茉優主演のラブコメディ。『恋はつづくよどこまでも』『私の家政夫ナギサさん』とヒットの続くTBS系火曜22時枠の最新作であり、7月18日に他界した俳優・三浦春馬が、亡くなる直前まで撮影に臨んでいた「遺作」としても、注目されていた。

日本中から惜しまれつつ亡くなった三浦春馬の遺作ということを差し引いても、非常に優れたドラマだった。特に光ったのが、キャラクター描写だ。脚本を手がけるのは、昨年『凪のお暇』(TBS系)で好評を博した大島里美。優れた作家は、キャラクターを性格の陰陽ではなく価値観で描き分ける。このドラマでは「お金」に対する価値観の違いで、主要なキャラクターの個性を浮き彫りにした。

松岡茉優演じる主人公・九鬼玲子は中堅おもちゃメーカー「モンキーパス」の経理部で働く「清貧女子」だ。店頭で一目惚れした1680円のお皿への想いをずっと胸に温め続け、1年間悩んでから購入に踏み切るほどの節約ぶり。無駄遣いを一切せず、茶碗が欠けたら金継ぎして補修するなど、倹約家タイプのキャラクターだった。

「清貧女子」九鬼玲子を演じた松岡茉優[Photo by gettyimages]
 

一方、三浦春馬演じる猿渡慶太は、父親が経営するモンキーパスで働く御曹司で「浪費男子」。バーベキューのためだけに紙皿ではなく陶器の皿を爆買いし、終わったらその場で廃棄する。洋服を買いに行けば、1回で使った金額はなんと111万円。しかしその金額にたじろぐ様子は一切なく、むしろゾロ目であることに歓喜する。

母・菜々子(キムラ緑子)に甘やかされて育ったがゆえに物欲を我慢することを知らず、金銭感覚が崩壊した典型的な「お坊ちゃま」だ。